「運命」寺内タケシとブルージーンズ

2017年07月18日

「運命」寺内タケシとブルージーンズ

「運命」寺内タケシとブルージーンズ

今回「運命」をとりあげたのは、「運命」に出てくる寺内タケシさんのクロマチックラン(以下、「テケテケ」とします。)について少し考えてみようと思ったためです。

寺内さんのテケテケの弾き方については、検索してもほとんど情報はなく、以下の記述は私見です。

今回参考にしたDVDはこちらです。


子供のころテレビ(プラチナゴールデンショー?)で寺内さんのテケテケを見たとき、自分もなんとか寺内さんのように弾きたいと思いましたが、弾き方がよくわかりませんでした。

「運命」の入っているLPを購入し、家にあった速度を半分にできるオープンリールの小型テープレコーダーでコピーを試みましたが、速度を半分にするとピッチ(音程)も低くなり、ゴーストノート(ゴーストトーンというのでしょうか、実際には弾いていない音のことです。)がたくさん聞えてきて、よくコピーできませんでした。クロマチック(半音進行)はとても聞きづらく、コピーしにくいと思いました。

これはやはり実物を見なければダメだということで、ブルージーンズのコンサートにも何回か行きました。ライブハウスみたいなところで、かなり近くから見たこともあったのですが、寺内さんの手の動きがあまりにもはやく、結局よくわかりませんでした。

その後、「運命」のタブ譜が載っている楽譜集・月刊誌が何冊か発売されたのですが、テケテケ部分が採譜者によってすべて異なっていたのです。??? 

寺内さんは、いったいどのように弾いているのかがますます気になるという状態でした。

そうこうしているうちに、寺内さんの奏法解説シリーズの第一弾として、「運命」と「ペルシャの市場にて」が入ったビデオが発売されたのです。このような教則ビデオを待ち望んでいたため、当時とてもうれしかったことをおぼえています。

ビデオを見てとてもびっくりしました。自分がコピーしていたのとはまったく違った弾き方がされていたのです。

ビデオを見てつい出た言葉は、「エー、寺内さんは3弦を弾いていないのー」でした。

映像は右下側から撮られているので、3弦を弾いていないことがわかりました(半速くらいではよくわからないかもしれませんが、4分の1倍速、8分の1倍速、さらには音は出なくなりますが、コマ送りで見るとよくわかると思います)。

このビデオは後に「勧進帳」も加えられてDVD化されましたが、「勧進帳」のテケテケも子供のころコピーしていたのとはまったく違う弾き方でした(クロマチックで弾かれているのは1弦と2弦のみで、5弦と6弦をクロスさせて2回ずつ弾いたり、6弦では中指が2フレット動いていました(つまりクロマチックではなかったのです。))。寺内さんのテケテケは、単純ではないということがよくわかりました。



「運命」における寺内さんのテケテケの弾き方の解説

残念なことに、5弦の終わりの部分と6弦の部分は映像が切れていて見ることができないのですが、6弦3フレットで終わっていることが音からわかります。

薬指が2つの弦を同時に押さえているところがありますが、このとき2つの弦を同時に弾いているわけではないと思います(弾くのは、下の1つの弦のみ)。

4弦以下、薬指が浮いているように見えますので、もしかしたら薬指は弾いていない(小指を2回弾いている。)のかもしれません(クロマチックの場合、ひとつの音を抜かしても、クロマチックでつながっているように聞こえるようです・・・これを推し進めると、薬指と中指は使わないで小指と人差し指で2回ずつ弾いても、クロマチックの代用になる気がします)。

一番注意すべき点は、3弦は弾かずに、5弦を2回繰り返すということだと思います。

1弦・・・クロマチック
2弦・・・クロマチック
3弦は弾かない。
4弦・・・クロマチック
5弦・・・クロマチックで2回繰り返す。

6弦の弾き方の可能性(先述のとおり6弦部分は映像では映っていないので、次のような弾き方が考えられます。6弦3フレットで終わるせいか、どれでもそんなに違和感はないようなのですが・・・)

パターン①
6弦・・・小指は6弦を弾かずに5弦を弾く(映像ではそのように見えます。薬指・中指・人差し指・・・クロマチック。続きは、7フレットから3フレットまで中指と人差し指で交互に弾く(テケテケテ)

パターン②
6弦・・・11フレット小指に行くと、5弦10フレットから6弦3フレットまでクロマチックでつながります。

パターン③
6弦・・・6弦11フレット小指の代わりに5弦11フレット小指にする(映像では小指が5弦を弾いているように見えるため)。


テケテケの前後の1弦・2弦を同時に弾く部分について

モズライトの指板上にあるポジションマークは小さくて見づらいですが、5フレット・7フレット・9フレット・12フレットにあるポジションマークを手掛かりにしてください。

人差し指、中指、薬指は3弦ないし4弦に触れるくらいにすると左手が安定するように思います(指の長さは人によって違うので一概にはいえませんが、1弦と2弦部分だけ押さえるようにすると、非常に不安定になります。)小指は1弦と2弦を同時に押さえます。

下降部分・・・11フレット小指からスタート
       次の薬指は3フレット分スライドさせる。
上昇部分・・・6フレット人差し指からスタート
       人差し指を3フレット分スライドさせる。

上記を1フレットずらして同じように弾く。

(下降部分・・・10フレット小指からスタート
        次の薬指は3フレット分スライドさせる。
 上昇部分・・・5フレット人差し指からスタート
        人差し指を3フレット分スライドさせる。)

最後の部分は、人差し指を5フレットから8フレットまでスライドさせる。

8フレットから最後までは、1弦・2弦・3弦を同時に弾く。

この部分の運指は、寺内さんの弾ているとおりにする必要があります(8フレット薬指を最後に20フレットまでスライドさせるため)。


「運命」のテケテケは、録音された時代によって寺内さん自身も何種類か違った弾き方をしているようです(「空飛ぶギター」のテケテケも1970年代のものとその後のものでは、明らかに違った弾き方がなされているように思います)。アドリブ部分なので、当然といえば当然なのかもしれません。

皆さんは、「運命」「ペルシャの市場にて」のビデオか「勧進帳」「運命」「ペルシャの市場にて」のDVDのどちらかをお持ちだろうと思いますので、もう一度引っ張り出してきて、上記の私の解説が正しいかどうか検証していただきたいと思います。


最後に、いつもコピーのためによく使用しているものを紹介します。

・タスカムCDトレーナーギター用(ピッチを変えずにスピードを遅くできるもの。CDにあわせてゆっくり弾くのにとても便利です。)ギター用、ベース用、ボーカル用があります。

・DVD再生ソフト
 PowerDVD(コマ送りで見るときに使用していますが、今はどのDVD再生ソフトもコマ送り機能がついているのではないかと思います。ビデオ時代より便利になりました)。

・耳コピソフト
  バンドプロデューサー5(河合楽器)
 前に別の耳コピソフトを使っていました(現在はもう売られていません。)が、それよりもはるかによいソフトだと思います。河合楽器のホームページに15日間機能制限なしで使える試用版があります。私は試用版を試した後に購入しましたが、機能が多すぎて、まだよく使いこなせていない感じです。Windows10で問題なく動きます。
河合楽器製作所 バンドプロデューサー5

文章だとわかりにくいと思いますので、上記に書いた「テケテケの弾き方」の部分の動画を撮りました。

どこのポジションで弾いているかがわかるように、できるだけゆっくり弾きました。

平ピックが見つかったので、今回はピックで弾いています(「前の「小さなスナック」「ハンマリングオン」その他の動画は、ピックが見つからなかったため指で弾いています。)。

いつも動画で弾いているアイバニーズのセミアコのポジションマークは大きいので、5フレット・7フレット・9フレット・12フレットのポジションマークをまず確認してください。

今回も、アンプなしでデジカメの動画機能で撮っています。音が聞きとりにくいかもしれませんが、よろしくお願いいたします。




今回もブログの記事を読んでいただき、どうもありがとうございました。


「運命」寺内タケシとブルージーンズの続き(追記)の動画のほうも見てください。「運命」寺内タケシとブルージーンズの続き(追記)の動画

モズライトギター


エレキインスト教則DVD



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